商業施設の集客イベント企画ガイド

「来館数はそこそこあるのに、テナント売上が伸びない」
「セールや抽選会ばかりで、次の一手が見つからない」
そんなお悩みをお持ちの商業施設・ショッピングモールの販促・運営ご担当者さまも、多いのではないでしょうか。
集客イベントは「人を集める」だけで終わらせてしまうと、テナントの納得感も、お客様の満足度も得にくくなります。
大切なのは
◉施設全体のイメージアップ
◉館内回遊・滞在時間の増加
◉個々のテナント売上・満足度
を同時に叶えるイベント設計です。
本記事では、全国のイベント企画・会場設営を手掛けてきたアンカーが、ショッピングモール・商業施設の「集客イベント」を企画する際の考え方と、具体的な仕掛けの作り方をご紹介します。
1.商業施設の集客イベントで押さえておきたい「3つのゴール」

まず最初に、イベントの目的を”来場者数アップ”だけにしないことが重要です。
商業施設の集客イベントでは、次の3つのゴールをセットで考えると、企画がブレにくくなります。
❶新規来館・再来館のきっかけづくり
・近隣エリアの生活者に「行ってみたい」と思わせる企画
・既存のお客様に「また行こう」と思っていただくための季節感や話題性
(例)季節フェア、キャラクターイベント、キッズワークショップ、屋外マルシェなど
❷館内回遊・滞在時間の最大化
・イベントスペースだけで完結しない導線設計
・館内を回りたくなる仕掛け(スタンプラリー、フォトスポット巡り等)
❸テナント売上・満足度の向上
・テナントの商品・サービスを体験してもらえる導線
・イベントに合わせた特別メニュー・限定商品・クーポン施策など
この3つを最初に整理しておくと「人は集まったけど、売上につながらなかった…」という状態を防ぎやすくなります。
2.ショッピングモールの定番”集客イベント”パターン
ここからは、ショッピングモール・商業施設でよく使われるイベントパターンを「集客」+「回遊」+「テナント連動」の観点で整理してみます。
季節イベント・キャンペーンの場合

・春:卒業・入学、新生活フェア、イースター企画
・夏:サマーフェスタ、縁日イベント、屋外ビアガーデン
・秋:ハロウィン、収穫祭、アウトドアイベント
・冬:クリスマス、イルミネーション、年末抽選会など
★ポイント★
・季節モチーフのフォトスポットや装飾で”写真を撮りたくなる空間”をつくる
・テナント各店に「季節限定メニュー」「〇〇フェア対象商品」を設定してもらい、館内POP・特設サイトで一括紹介する
アンカーでは、季節装飾やイルミネーション、屋外テントを使った期間限定イベント空間の施工も行なっています。
キッズ・ファミリー向け体験イベントの場合

・親子ワークショップ(クラフト、料理、化学実験 等)
・キャラクターショー、撮影会
・キッズスポーツ体験、アスレチック・ふわふわ遊具など
★ポイント★
・参加条件を「館内〇〇円以上のレシート提示」などにすることで、テナント利用と連動
・兄弟・家族単位での来館が見込めるため、売上効率の高い層を呼び込める
屋外テントを使ったポップアップイベント・マルシェの場合

モールのエントランス前や駐車場にテントを設置し
・地域マルシェ・キッチンカー
・アウトドア・カー、スポーツ用品の展示
・ライブ・パフォーマンスステージを組み合わせた「期間限定広場」を設ける
★ポイント★
・「いつものお買い物に+αの楽しみ」が生まれ、再来館もモチベーションに
・テナントが屋外に出店(ワゴン販売・サンプリングなど)することで、新たな接点を創出
アンカーでは、イベント用テントから長期設置が可能な大型テントの提案・施工も行なっております。
商業施設の屋外スペースを“期間限定イベント会場”として造ることも可能です。
3.館内回遊を増やす「動線設計」と仕掛けアイディア
イベントの成果を高めるには、「お客様がどのルートで、どんな体験をしながら館内を回るか」を設計することです。
3-1 入口〜中央〜奥のエリアに役割を持たせる

例として、次のようなイメージで役割分担をすると、自然な回遊が生まれます。
・【入口付近】…フォトスポット・ウェルカム装飾・インフォメーション
・【中央広場】…メインステージ・イベント本部・抽選会場
・【館内奥側】…ワークショップ会場、スタンプポイント、テナント連動企画の集中エリア
「入口でイベントを知る→中央で体験→奥で買い物」という流れをつくると、館全体の回遊につながりやすくなります。
3-2 スタンプラリー・ミッションラリーを活用する

・フロアごと・ゾーンごとにスタンプポイントを設ける
・特定テナントの店頭をスタンプスポットにする
・デジタルスタンプラリー(QRコード読み取り)も有効
★ポイント★
・1階・2階・3階すべてを回るとコンプリート」など、高回遊を前提に設計
・景品は「館内共通券」「テナント横断のクーポンブック」など、施設全体の売上アップにつながるものを設定
3-3 回遊を促す”情報の見える化”

・フロアマップと連動したイベント案内ボード
・デジタルサイネージで、現在実施中のイベントや混雑状況を表示
・館内アナウンスで「このあと○時から○○イベントがスタートします」と随時告知
アンカーでは、会場レイアウト・動線計画から、案内サイン・サイネージデザイン、当日の進行・アナウンス台本までトータルでサポート可能です。
4.テナント巻き込みの進め方:4つのステップ
集客イベントを成功させるうえで欠かせないのが、テナントとの連携です。
ここでは、テナント巻き込みの基本ステップを整理します。
Step1:イベント概要と「メリット」の共有(目安:2~3か月前)

・イベントの目的(例:来館者数〇〇アップ、回遊性向上 等)
・想定来場者(ファミリー層、20〜30代女性、シニア層など)
・テナントにとってのメリット
(例:新規顧客接点、試食・試飲きかき、期間限定商品の訴求など)
▶︎「なぜこのイベントをやるのか」を、数字とイメージの両方で伝えることがポイントです。
Step2:テナントごとの”参加メニュー”を用意する
例えば、次のような選択肢を用意しておくと、参加のハードルが下がります。
・①店頭での「イベント連動メニュー・商品の展開」のみ
・②ワゴン販売・特設ブース出店
・③ワークショップや体験会の実施
・④サンプリング・ノベルティ配布など
「忙しい店舗でも参加しやすいメニュー」と「しっかりイベントに関わりたい店舗向けメニュー」の両方を用意すると、参加率が上がります。
Step3:販促物・店頭演出のサポート

・統一感のある館内POP・ポスター・のぼり
・テナントごとの店頭ミニポップ(「イベント連動メニューはこちら」など)
・SNS、WEB用の素材提供(画像・テキストテンプレ)
アンカーでは、イベントと連動したビジュアルデザインや印刷物制作もまとめて対応できます。
Step4:結果の共有とフィードバック
イベント終了時には
・来館者数・参加者数
・テナント売上の変化(可能な範囲で)
・アンケート結果、次回への改善点
を簡単なレポートにまとめ、テナントと共有することで、「次のイベントも一緒にやりたい」と感じてもらいやすくなります。
5.スケジュール例:初回イベントは「3ヶ月前」から動き出す

商業施設の集客イベントをスムーズに進めるための、ざっくりとしたスケジュールイメージです。
3ヶ月前〜
・イベントの目的・ターゲット・概略企画を検討
・開催候補日・会場エリア・予算枠の確認
・アンカーのようなイベント会社への相談・概算見積依頼
2ヶ月前〜
・実施企画の決定
・テナント説明会・参加募集
・会場レイアウト・動線の設計
・必要機材(ステージ、音響、テント等)の確認・手配
1ヶ月前〜
・販促物(ポスター・チラシ・POP等)の制作・校了
・WEBサイト・SNSでの告知開始
・テナントの店頭施策と連携内容の最終決定
1週間前〜当日
・会場設営・リハーサル
・当日の運営マニュアル・進行台本の最終確認
・実施&撤去、事後レポート作成
アンカーでは、企画立案〜会場設営〜当日運営〜撤去までワンストップで対応可能です。
「担当者は全体の判断に集中し、実務はまとめて任せる」という体制のご提案も可能です。
6.イメージ事例

「春のファミリーフェスタ in 〇〇モール」の場合
最後に、実際のイメージがしやすいように仮想事例をご紹介します。
【コンセプト】
・テーマ:家族で楽しむ”新生活スタートフェア”
・ターゲット:近隣エリアのファミリー層(小学生以下のお子様のいる家庭)
【企画要素】
・モールエントランス前:春のマルシェ&キッチンカー広場を展開(屋外イベント)
・館内中央広場:親子ステージイベント(キャラクターショー、キッズファッションショー)
・館内各所:新生活グッズ体験会、家具・家電の相談コーナー
【回遊施策】
・館内スタンプラリー
【テナント連動】
・新生活セットの特別割引
・イベント参加者限定の「当日有効クーポン」
このように「コンセプト」と「ゴール(何を伸ばしたいのか)」を明確にしたうえで、屋外・館内・テナントを一体的に設計していくことで、施設全体のブランド価値と売上アップに繋がるイベントになります。
7.よくあるご質問(FAQ)
Q1.予算があまり取れないのですが、それでもイベントはできますか?
A.可能です。
館内装飾+フォトスポット、小規模ワークショプなど低予算でも効果的な回遊イベントを設計できます。
アンカーではご予算に合わせたプランニングが可能です。
Q2.テナントの参加がなかなか集まりません…。
A.「何をしてほしいのか」ではなく、まず「テナントにどんなメリットがあるか」からお伝えすることが大切です。
・イベント期間中の来店増加見込み
・SNS発信のネタになるなど
そのうえで、「店頭ポップのみ」「ワゴン販売」など複数の参加メニューを用意すると参加率が上がります。
Q3.イベントスペースが狭く、できることが限られてしまいます。
A.メイン会場が小さくても、館全体を”イベントフィールド”とたとえることで可能性が広がります。
・小さなステージ+館内スタンプラリー
・フォトスポットを各フロアに分散設置
など、「点」ではなく「線・面」で企画を組み立てることがポイントです。
8.商業施設・ショッピングモールの集客イベントは「設計」が全て
ショッピングモール・商業施設のイベントは、単発の”お祭り”ではなく「集客」「回遊」「テナント売上」「ブランドイメージ」をトータルで設計することが重要です。
アンカーでは、イベント企画立案、会場レイアウト・動線計画、会場設営、当日運営・進行までワンストップでご相談を承っています。
まずは、ご相談ください。
アンカーでは、ご予算に合わせたイベントプランや事例を交えてのご紹介が可能です。
「自分の施設に合った集客イベントを、一緒に設計してほしい」等があれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。










